プラごみのリサイクル率は衝撃の低さだった!?|数字で見るプラスチックごみ問題の現状
Q. 突然ですが一つ問題です。
これまでに生産されたプラスチックのうち、何%がリサイクルされているでしょうか?
A. 正解は「9%」
なんとリサイクルされているプラスチックは生産量の10%以下なのです!
日本では基本的に、プラスチック類は燃えないゴミとして分別した上でゴミに出すところがほとんどですので、きちんと他のごみと分けてゴミ出ししているのだから、もっと高い割合でリサイクルに回されていると思っていた方が多いのではないでしょうか。
私自身も、まさかこれほど低い数字だとは予想しておらず、かなり衝撃を受けました。
そこで今回は、プラスチックごみの現状とこれからの動向について取り上げていきます。リサイクルされていない残りの約90%のプラスチックゴミは一体どのような道のりを辿るのか見ていきましょう。
2050年には120億㌧のプラスチックが埋立または自然投棄に?!
①廃棄量の推移
プラスチックが開発され、世の中に普及し始めたのが1950年。その年から2015年の間で生産されたプラスチックは83億tを超え、そのうちの63億tがゴミとして廃棄されています。※米ジョージア大学研究チーム推計より
さらに衝撃の事実はそれだけでなく、回収されたプラスチックのなんと79%がゴミとなって埋め立てられたり、海洋などへ投棄されているというのです!!
現時点で63億tにものぼるプラスチックごみ。
これから先10年後、20年後は一体どれくらいのプラスチックが生産され、廃棄されていくのか、2050年までの推移予測を表したグラフがこちらです。
このグラフのように、私たちが今のペースで生産と消費を続けていると、なんと2050年には120億tものプラスチックごみが発生すると予測されています!!
近頃、研究者らによって30年後には海に魚の数よりもゴミの方が多くなるということが見込まれていますが、120憶tのゴミを想像すると、その推測にも疑いの余地がなくなってしまいます、、、。
②プラスチックのリサイクル率
次に、プラスチックの生産後の行方について見ていきましょう。
現在、世界中で利用されているプラスチックは約25億t。冒頭でも述べましたが、その後きちんとリサイクルに回されているのは、たったの9%(6億t)です。そして残りの12%は焼却、79%は埋立、または海や森などに投棄されています。下の図がそれぞれの数量をわかりやすく表したものです。
※出典①:American Association for the Advancement of Science(2017/07/19)
この図からもわかる通り、プラスチックのゴミをきちんと分別して出していても、そのほとんどは埋立地へ運ばれて廃棄物山脈の一角になるか、はたまた自然界へそのまま流出しているというのが現実なのです。このことから、私たちが今やるべきことが明らかになったのではないでしょうか。
それは、「リサイクル率を上げること」ではありません。
"プラスチックごみを出さないこと"です。
生産量自体を減らすことや、リサイクル率を上げることももちろん重要ですが、一消費者として今すぐにどうにかするというのは、なかなか難しいです。しかし、この地球に暮らしている誰にでもできること、それは「プラスチックの利用避ける。ゴミになる原因を作らない。」ということです。
決して”すべてのプラスチック製品は悪である!”と言っているわけではありません。あくまでも、今使っているものはできるだけ長く使い続け、手放すときが来たらできるだけ環境に優しい方法や手段を考慮して処分することが大切なのです。
まとめ
今回はプラスチックごみ問題を「数字」で見てみましたが、みなさんはどのように感じたでしょうか。
私は、生産量の1割にも満たないリサイクル率の低さと、2050年後には120憶トンものプラごみが発生するかもしれないという事実にかなりショックを受けました。
この機会に、ご自身が日々どれだけのプラスチック製品を購入し、どれくらい使用して、どのように処分しているか、是非見直してみてください。
そして、このブログでもプラスチックの代替品となるグッズを何点か紹介していますので、いつも捨てているプラスチックに代わる、サステイナブルな代替品はないか探してみてください🍃